りんごごりららっきょう

思っていること、昔の思い出

父が亡くなりました④ 命の選択

2021年11月4日

朝早く 病院から連絡がありました。

 

今日は来られますか?来られたら先生がお話がしたいそうです

 

 

あとからわかったことですが。

 

決して、

当たり前ですが父の病状が安定していたわけではなく、

病院側はできれば毎日面会をしてほしかったようですが、

家から病院までの距離が遠く母が一人でいることや足がないとの情報から

いつ来れるのか確認していたのを、母は、毎日来なくてよいと判断していたようでした。

コロナのこともあり県外者の私がいることも

そう考える要因になってしまったように思います。

 

慌てて父の車で病院に向かいました。

 

PCRの結果がまだ出ていなかったので

私は駐車場で待機し母に面会が可能か問い合わせてもらいました。

看護師長が駐車場までわざわざ来られて

コロナのワクチン接種をしているか確認されました。

 

していることを伝えると

本当は接種証明書を提示して欲しいところだが

同じ医療者なので信用します

とのことで面会が可能になりました。

 

父はICUにおり

人工呼吸器、人工心肺、たくさんの点滴チューブを付けられ寝かされていました。

 

家では、大きい声で咳払いして、

どしどしと音を立てて階段を駆け下りるし、

寝ていても寝言もしゃべっているような感じで

何度もベッドから落ちて床が落ちるのではないかと思うほどの

音を立てる

寝ててもうるさい父が

静かに身動き一つせず音も立たず寝かされていました。

 

こういう状況かもしれないと思っていたけど、

想像より現実はかなりつらく涙が溢れ出ました。

 

医師に面談室に呼ばれ

手術後、一旦は意識も回復し、うなづいたりできていたこと。

昨日あたりから体の右側の反応が全くなく、脳梗塞が起きていると予想されること

心臓の動きが悪く調べると、心臓のどこからか出血しているようで

溢れた血液の中で心臓が浸かっている状態で動きが悪くなっており

出血がどこからしているのか、そして、その穴をふさぐ手術を緊急にしたいこと

が説明されました。

 

母は

心臓が豆腐みたいな状況だと以前言っていたが、

それでも手術はできるのか

出血を止めたら治るのか

脳梗塞は絶対なのか

など一つ一つ詰めて質問しており

こんな状況で冷静に質問している母をみて

私も冷静にならないと‼️

 

と気を引き締めたのを覚えています。

先生は

今回の手術は出血の場所を確認してその穴をふさぐだけの手術です。

この手術に成功しても、また出血するリスクはある

一旦、意識も回復して、今日あたりから人工心肺など機械を徐々に外そうと思っていたのでこちらも驚いている。

脳梗塞は起きている。

 

静かに一つ一つの質問をしてくれました。

今もう手術室は押さえていて

ご家族の同意が得られたらすぐに手術を始めます

とのことだった。

 

すぐに決められる話じゃない。でも時間的な余裕もない

 

私は先生に言いました

 

30分だけ時間をいただけないでしょうか?

隣の県にいる長男にも電話で

相談したい。

 

先生はきっと急いで手術できるよう段取りを組んでいただろうに

わかりました

と一旦面談室から出て行ってくれました。

担当の先生は本当に真摯に向き合ってくれました