亡くなった人とのお別れ①
献体って知っていますか?
献体とは、
自分が死んだ後に、医療の発展などのために、
自分の体を使ってくださいと
体を提供することです。
受け入れ先は大学病院など、医師を育成する場所がほとんどです。
この献体に関して、大学病院ではない病院は比較的、ノータッチではないかと思います。
献体にご協力してくださいと患者さんに伝える場面は私はありませんでした。
ただ、患者さん側から
献体したいんだけど?
と言われたことはあります。
正直、病院の医療関係者はそういうことに疎いので、そういう申し入れにあわあわします。
そういう方は、とてもボランティア精神というか、医療の発展のために!
と熱い思いの方と
身寄りがなく、遺体を引き取ってくれる人がいなかったり、
葬儀や、火葬をする費用を工面できないという方だったりします。
献体すれば火葬代はかからないので。
献体しますと言われても医療関係者は、ほとんど介入しません。
ご自身で自分の地域にある献体を扱っている施設や大学病院にご自身で連絡を取ってもらい申し込み手続きをします。
病院側には自分が亡くなった後、この機関に献体することになっています。
と報告するだけになります。
葬儀を行ってから献体する場合と、亡くなってそのまま病院から献体する施設は遺体を運ぶ場合があるようです。
そのため、病院側としては、亡くなった後、葬儀会社に遺体を引き取ってもらうか、献体を、扱っている施設に引き取ってもらうかというだけになります。
そんな感じなので、医療者であっても、その分野には介入する機会があまりないのです。
今回、ちょっと考えさせられた話がありました。
私の友達の旦那さんのお父さんが亡くなられました。
旦那さんのご両親は離婚していたり、そのあと再婚していて家族を作っていたりなどほとんど連絡をとっておらず。
お父さんが、ガンになり余命いくばくもないと知らされてから頻繁に再会するようになったとのこと。
お父さんは、一人で生活していたようですが、入院先が遠方のためあまり行かなかったそうです。
そして、そのお父さんから献体をするので、葬儀やお墓は必要ないと言われていたそうです。
旦那さんはお父さんの意思を尊重していたと言います。
家族をお見送りするのって、経験がないとあまりイメージつかないですよね。
そして、お父さんの死去の連絡が入り、慌てて飛行機で病院へ向かいました。
そしたら、病院にはもうお父さんがいらっしゃらず、献体へ送られたと聞きました。
そして、遺骨も帰ってこないとそこで初めて聞かされたそうです。
いろいろあり、不仲だったとはいえ、
顔を見ることなく、遺骨も帰らず。
飛行機で慌てて向かったのに、なんだったのだと寂しかったとの話を聞きました。
話は聞いていて納得はしていたけど詳細をイメージできていなかったのだと思います。
そして、せめて、遺骨は引き取らせてほしいと伝えたところ、遺骨が帰ってくるのは2-3年かかるとのことだったそうです。